再現教室~死のリプレイ~
「保健室、行く?」


「うん……」


千鶴に支えられて、あたしはどうにか歩き出した。


ドアの前まで来ると、千鶴がドアをノックした。


保健室に見立てているのだろう。


あたしと千鶴は保健室に入り、あたしはすぐにベッドに横になった。


フカフカの白い布団を想像しながら床に寝そべり、目を閉じる。


「奏、大丈夫?」


千鶴の声にあたしは頷く。


横になっているだけで緊張は少しずつほぐれていく。


保健室で5分ほど休憩してからあたしたちは教室へ向かったんだ。


それを思い出して、あたしは目を開けた。


時間の感覚がよくわからない。


ここでスマホを取り出すわけにもいかず、あたしは千鶴を見た。


千鶴も困っているようで、隣に有紀がいるものとして会話を続けるしかないようだ。


でも、こうして千鶴と有紀の会話が続いている間は、まだ保健室にいたと言う事だ。


問題は、2人の会話が途切れてすぐに保健室を出たかどうかだった。


あたしはまた目を閉じて考えた。
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