あなたの「おやすみ」で眠りにつきたい。


沈黙が流れた。
主任は白い壁を見つめて、何か思案にふけっている。

その横顔にそっと謝る。
……ごめんなさい。嘘をつきました。

主任に嘘をついたのは、初めてかもしれない。
隠し事なんてほとんどしてこなかったから。

芽生えた小さな命。
ごめんね。お父さんに告げられなくて。

でも、絶対に守るから。
お母さんが守るから。

私がお腹の中に声を掛けていると、主任が口を開いた。

「中田。お前、休憩所での部長との会話、聞いていたよな」

< 90 / 234 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop