運命の恋は健康診断から始まる

この人、危ないし、怖い。なんなの。なんか日本語通じないし。


どうすればこの状況から脱却できるのか全然分からなくて泣きそうになる。


「歩ちゃん、高倉さんね……」


聞きたくない。宗一郎さんが言わないことを、この人の口から聞きたくない。


そう思ってその人の言葉を遮ろうとした時、健診会場の部屋に入る扉が開いて、私は固まった。


その人も動きを止めて扉の方を見るけど、離れてはくれないし、腕にも力が入ったままだ。


開いた扉からひょこっと顔を出したのは一ノ瀬ちゃんで、私とその人を見て驚いたように目を見開く。


「チッ」


私のことをもうほぼ抱きしめていたその人は小さく舌打ちして私から離れる。


「邪魔が入っちゃった。……ま、いっか。じゃあ、またね歩ちゃん」


呆然としてる私にニヤッと笑いかけて、一ノ瀬ちゃんを一瞥してからその人は外に出て行く。


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