熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~
「…ってか、あたしと、番号とメアドの交換しようよ♪」

「あっ、ぬけがけはズルイっ」

「あたしも交換して!」

「あたしも、あたしも!!」

「悪いが、番号やメアドを誰かれかまわず教える気はねぇし、そもそも俺は芸能人じゃねぇから、お前らの取材を受けるつもりもねぇ。暑苦しいから解散してくれ」

クールというより、冷たい感じさえする彼の発言だった。いくら見た目がよくても、心が冷たいのはイヤかもしれない。そういう意味では、いつもニコニコしているジョージ先生のほうが何倍もいいと思う。

そして今の発言に反応したのは、あたしだけではなかった。ジャガイモ頭の野球部員・島袋拓造(シマブクロタクゾー)くんもカチンときていたみたい。

「おー、おー、何様のつもりだ。芸能人の子どもだからって、きどってんじゃねぇぞ」

あたしがもし男子だったら、と思うと、彼の気持ちも分からないではない。女子に囲まれてチヤホヤされているのを見て、うらやましくないはずがない。

「別に、きどってるつもりはねぇよ。好きで芸能人の家に生まれたわけじゃねぇし、替われるものならお前と替わってやりてぇよ」

「あぁ、できることなら替わってほしいよ」

「俺はむしろお前のほうがうらやましい」
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