熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~

「え…?」

「誰からも干渉されずに一人でいられるお前がうらやましい、ってことさ」

「オイ! それじゃあ、俺が誰からも相手にされてねぇみたいじゃねぇかよ!!」

ゴボウのような肌を赤黒くさせて、大声で怒鳴る島袋くん。

教室にピーンと緊張した空気が張り詰める。お互い、いつ手が出てもおかしくないくらいの、まさに一触即発というカンジ。

「あのさぁ、みさき、そーいうの、被害妄想っていうんじゃないかと思うんだけどぉ」

みさきちゃんのトロトロしたしゃべり方が、島袋くんの怒りの炎に油を注いだ。

「なんだとォ!」

「やめてよぉ。みさき、大きい声出すヒト、怖いんだからぁ」

「だったら、もっとデカイ声出してやる! アアアアアアアアアーーーーーッ!!」

日頃、野球部の声出しで鍛えた島袋くんの声は、耳をふさがないといられないほどのボリュームだった。いや、“声”というより“騒音”と表現したほうが正しいのかも。

「ウルサイよぉ…」

「ウルセーのはお前のほうだ。俺と転校生が話してんのに、勝手に割り込んでくるんじゃねぇよ」
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