熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~
「それを言うなら、あたしたちが比嘉くんとお話してたのに、割り込んできたのは島袋くんのほうじゃん」
「そうだよ、みさきのいうとおりだよっ」
うちのクラスの女子で一番おしゃべりなだけでなく、一番気が強いなみが言った。
「自分が女子にモテないからって、アンタ、彼のことをひがんでるだけじゃん。むしろアンタのほうこそジャマなんだから、どっかに引っ込んでればいーじゃん。ってか消えて。きーえろ、きーえろ、きーえろ、きーえろ♪」
なみが言い出したのをきっかけに、手をたたいてリズムを取りながら、女子軍団の“消えろコール”がはじまった。
「クッソォ!」
太ももの横で握り締めた島袋くんのグーの手がプルプルと小刻みに震えていた。相手が女子じゃなかったら、まちがいなく彼のグーの手は相手を叩きのめしていただろう。
キ~ン、コ~ン、カ~ン、コ~ン…
「みんな~、チャイム鳴ったし、席について次の授業の準備しよ?」
「ハ~イ♪」
なにごともなかったように着席する女子軍団。そして悔しそうな表情のまま、やはり着席する島袋くんだった。