熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~
床に飛び散った色とりどりの花。水。そして、かつて花瓶とよばれたガラスのかけら。

それらを見終わったみんなが次に見るのは、呆然と立ち尽くすあたしだった。

「安座間、お前ナニやってんだよっ」

ありえない島袋くんからの発言だった。

えっ、あたしっ!?

「あ~ァ、その花瓶、先生のお気に入りだったのになァ」

たしかに花瓶もそこにいけてある花も、ジョージ先生が持ってきたものだ。

「俺、知~ぃらね、っと♪」

島袋くんは完全にあたしのせいにするつもりみたいだ。

「あたしが割ったんじゃないよっ!  花瓶が割れたのは飛んできたホウキが当たったせいじゃんっ!!」

…と、心の中で、大声で叫ぶ。

みんなだって見てたじゃんっ!?

すがるように、助けを求めて、みんなのほうを見る。

だけど、みんなは凍りついたように堅くクチを閉ざしていて、中には露骨に目を逸らす人までいた。

たとえ真犯人を知っていても、面倒なことに巻き込まれるのはイヤだったんだろう。
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