熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~
「でも、いいなァ、みさき、うらやましい」
うらやましい、って……。一番隠したいところを誰かれかまわず、いろんなヒトにジロジロ見られるんだよ。自分がもし、あたしの立場だったら、って考えたら、うらやましいなんてゼッタイ言えないと思う。
実際、更衣室を出てプールサイドへと向かうあいだは、バスタオルで上半身を完全ガードしていたからまだよかったものの、体育の先生が来て整列するためにバスタオルを取ったとたん、男子のチラ見する視線が胸にチクチクと突き刺さった。時間にして、ほんの1秒足らずのチラ見だけど、あたしははっきりと感知していた。
早くプールに入りたいと思った。でも、それは暑かったからというわけではなく、プールに入れば、プールの水でカラダを隠せると思ったからだ。
まだ6月だというのに、出番をまちがえた真夏の太陽がジリジリと猛烈な日差しで照りつける中、準備運動をして、冷たすぎるシャワーをキャアキャア言いながら浴び終わると、ついにいよいよプールに入った。
水温25℃。あたしたちの焼けたカラダには、プールの冷たい水さえも、むしろ逆に気持ちよかった。
普段、制服姿のときは分からなかったけど、ひとたび水着姿になれば、みんなさすがに中学3年生で、男子も女子もカラダはもうそれなりにオトナっぽかった。それなのに、プールの中ではしゃぎまくっている姿ときたら、幼稚園児とちっとも変わらない。