熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~

バカな男子どもの不快な視線にさらされていては、プールもおちおち楽しめないけど、みさきちゃんや、なみたちは心の底から思いっきり楽しんでいるみたいだった。

こういう、おバカになったほうが楽しめるシチュエーションだと、あのヒトはどんな態度をとるんだろう?と思い、あたしはキョロキョロと比嘉くんの姿を探した。

すると、水着姿の女子たち(…といってもスクール水着だけど…)に囲まれ、遊ぼ?と挑発されるように、バシャバシャと水をかけられて、迷惑顔をしている彼を見つけた。

こんなとき、たいていの男子なら、きっと本当は嬉しいクセして、クチでは「ヤメロよ」なんて言って困ったような顔をするものだと思うけど、あたしの目には彼が本当に迷惑しているように見えた。

もしかして比嘉くんもプールが嫌いとか? いや、それか女嫌いだったりして……。

花瓶濡れ衣事件で助けてもらって以来、彼とはまだひとこともしゃべっていない。



そしてひとこともしゃべれないまま、1学期ももうすぐ終わろうとしていた。


「ああっ、シャワーが浴びたいっっ!!」

もしも今が期末テストの真っ最中でなかったら、外でミンミンと鳴くうるさいセミたちの声にも負けないくらいの大声で、そう叫んでいたにちがいない。
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