熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~

「セクハラなもんか。テスト勉強の労をねぎらって、安座間にマッサージしてやってんじゃないか」

「なるほど、マッサージですか。でもバレー部の練習のとき、マッサージと称して女子のおしりや太ももを触っていたっていう噂とか、他の先生や親には言うな、って口止めしていたっていう噂もありますよ」

噂どころか実際にあったことだ。演劇部に所属するあたしは体育館でバレー部と一緒になることも多く、先生のセクハラ現場を何度も目撃している。

「それはあくまで生徒と、より親しくなるためのスキンシップだ。だいいち生徒だって誰も嫌がってなどいない」

「でも、そのコは嫌がってますよ、確実に」

比嘉くんのいう“そのコ”とはもちろんあたしのことだ。

「お前、嫌がってるのか?」

そのとき先生の手から力が抜けた。すかさずその手を振り払うあたし。

「立場を利用してやりたい放題スか?」

「お前なぁ、人聞きの悪い言い方をするな」

「でも現に、セクハラ兼パワーハラスメントなことをやってるじゃないスか?」

「ハイ、ハイ、分かった、分かった」

軽くあしらうように言う先生。

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