どこまでも、堕ちていく。
確かに由美の言う通りだ。
他の親御さんは現在妊娠中であったり他にも子どもがいる、もしくはパート勤めなどで毎日忙しい。
自分も暇なつもりはないのだけれど、他のお母さんたちと比べれば時間に余裕があるのは事実。
「では早速ですが、今から飾りつけのお手伝いをお願いしたいんですが!」
そう言いながら両手に沢山の荷物を抱えた直樹が登場した。
どんよりとした気分の私とは真逆と言っていいほど楽しそうな表情。
「飾りつけですか?」
「2日後に新入生との対面式があるんでその飾りつけです!教論だけでは手が回らなくて」
「…分かりました」
…先が思いやられる。
元々人とのコミュニケーションを取るのが苦手な私。
1年間クラス役員をやっていける自信なんてない。
「…雅紀くん、ですね」
「え?」
作業する私の横にちょこんと腰掛けてきた直樹。
「月影雅紀くんのお母さんですよね?雰囲気がよく似てますねー」
「あ、はい… まあ」
「こちらは山田さんですか。ということは美羽ちゃんのお母さんですね!」
今書いたばかりの役員名簿を見ながら、次々と子どもたちの名前を挙げていく。
…正直驚いた。