イジワル御曹司と花嫁契約
メインエントランスから続く長い廊下に、天井まで届くブックシェルフが重厚な佇まいで並べてあった。


分厚い書籍やアート系の本が飾るように置かれている。


廊下を抜けると、海外のラグジュアリーホテルのようなフォレストラウンジが広がっていた。


席数は十程度で、ガラス扉の向こう側には綺麗な庭園が見える。


フォレストラウンジには、今の時間は誰もいなかった。


奥に行くとテーブルとソファ席が置いてあり、そこに座るよう案内された。


「いくつか資料を持って参りますので、少々お待ちください」


 とコンシェルジュは言って、受付フロントに戻って行った。


そのすぐ後に、入れ替わるようにもう一人のコンシェルジュがとてもいい匂いのする紅茶を運んできた。


 ここはホテルかと突っ込みたくなるようなサービスの良さ。


そわそわしながら、居心地のいいソファにもたれることなく、むだに背筋を伸ばして紅茶を啜る。


 一口ほど飲んだ後、コンシェルジュが大きな紙袋を持ってやってきた。


テーブル席の向かいに座り、黒皮に包まれた分厚い書類を捲る。


簡単な挨拶と名刺を渡された後、さっそく説明に入った。
< 155 / 280 >

この作品をシェア

pagetop