イジワル御曹司と花嫁契約
 示された紙を見てみると、ガラス張りのとてもお洒落な雰囲気のラウンジで、昼と夜とでは雰囲気がガラリと変わるようだ。


昼は開放的な明るさで見晴らしが良く、夜はモダンな大人のバーに様変わりしている様子が写真で伝わってくる。


 それよりも私の目を引いたのは、メニューの豊富さだった。


朝は焼き立てのパンやワッフル、果物などが並び、昼はとても豪華なアフターヌーンティーがある。


夜は美味しそうなカクテルやつまみ系が並んでいる。


「東郷様は最上階にお住まいなので、日中のカフェラウンジの時間帯の料金は無料となっております」


「え、無料!?」


 思わず身を乗り出す。


急にがめつくなった私に引く素振りなど微塵も見せず、綺麗なコンシェルジュのお姉さんは笑顔で返した。


「はい、食べ放題でございます」


 私のレベルに合わせ、食べ放題などという庶民的な言葉をあえて使ったお姉さん。


……プロだ。


 最上階、などという恐ろしい言葉が聞こえたような気もするけれど、それよりも無料で食べ放題のメニューを食い入るように見つめる。
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