イジワル御曹司と花嫁契約
「東郷様から女性用の日用品を一通り揃えるようご指示がありまして、あまり時間もなかったものですから、当ビル内にある化粧品売り場で買って参りました。
普段使われているものと違って肌に合うか分からないのですが、サンプリングと思って宜しければお使いください」


 そう言って、袋から出したのは見るからに高級そうな化粧水や乳液、美容液、パックなどのスキンケア用品。


更に、シャンプーやコンディショナー、クレンジングと洗顔フォーム、それにナプキンなど本当に一通りの日用品が入っていた。


 サンプリングっていうけど、サンプリングの量じゃない。


どれも近所のドラッグストアでは見たこともない高そうなものばかり。


「あの……有り難く使わせていただきます」


 丁寧にお辞儀すると、コンシェルジュのお姉さんはほっとしたような表情を見せた。


  ……言えない。


私がいつも使っているものは、千円以内の化粧水、乳液、美容液が入ったオールインワンジェルだなんて。


こんなにたくさん、何に使うかも分からないようなものまであるスキンケア用品を揃えてくれたお姉さんに、そんなこと恥ずかしくて言えやしない。


「それではお待たせ致しました。お部屋にご案内致します」
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