イジワル御曹司と花嫁契約
「彰貴は? ご飯食べた?」


「俺はいつも、夜は酒とつまみくらいしか食べない。外食の時は別だが」


「そうなんだ。じゃあなんかおつまみ作ろうか?」


「作れるのか?」


 彰貴は訝しそうに私を見たので、得意気に胸を張る。


「弁当屋の娘を舐めないでいただけます?」


「そうだったな。じゃあ、お願いするか」


 彰貴はほんのり嬉しそうに見えた。


「任せて」


「俺は先にシャワー浴びてくる」


「うん」


 キッチンに立ち、冷蔵庫を開けると、顔がだんだんニヤニヤしてきた。


 なんだろう、このむず痒いかんじ。


好きな人のために料理を作る。


ちょっと新婚さんみたいな?



 そう考えて、慌てて頭を振る。


新婚さんだなんて、浮かれているのにもほどがある。


……でも、なんかいいな、こういう生活。


彰貴も私の家にいる時より寛いでいるし(当たり前だけど)お互いのことをどんどん理解していっている気がする。
 
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