イジワル御曹司と花嫁契約
「もちろん構わない。

それは私にとっても願ってもない話だ。

だが本当にそれでいいのかい? 

ここで私の手を借りなければ、店はいずれ潰れるだろう」


「あなたに手を借りなければ潰れてしまうような店ならば、潰した方がいいでしょう」


 私の言葉に、彰貴のお父さんは目を丸くして驚いた。


そして、「ふふっ」と息を吐くように小さな声で笑った後、堪え切れないとばかりに大きな声で「ハハハハハ」と大口を開けて笑った。


「なるほど、肝の据わったお嬢さんだ。

潰させないなどと、青臭いことを言うわけではなく、君にとってとても大切な店を、潰した方がいいなんて言うとは。

あの彰貴が君に惚れた要因が分かったよ」


「褒められたと、受け取っておきます」


「もちろん、褒め言葉だ。しかし、君は私に褒められてもまったく嬉しくないとは思うが」


 短時間で、よく私のことをお分かりで。


心の中で浮かんだ言葉は、口にするのはふさわしくないと思い飲み込んだ。
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