イジワル御曹司と花嫁契約
歩けないわけではないけれど、まだ体に痺れが残っているので車椅子を使っている。


少しの距離なら歩けるし、家の中程度だったらそこまで生活に支障はない。


でも、リハビリで病院に通わなければいけないので、その時はどうしようかというのが、悩みの種だ。


タクシー代は馬鹿にならないし、簡易な車椅子も高い。


色々と不安の種はあるけれど、退院できることは素直に嬉しい。


生きていてくれる、それだけで十分だ。


「本当にありがとうございました」


 と言って帰ろうとすると、看護婦さん達が「お祝いの品があるからちょっと待って」と言って、病院の中に入っていった。


 少しの間待っていると、大きな花束と白い封筒、そして折り畳み式の車椅子を持って出てきた。


「退院、おめでとうございます」


 看護婦さん達と先生は声を揃えて言うと、拍手をしながら大きな花束を母に、白い封筒を私に渡した。
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