イジワル御曹司と花嫁契約
ドレスをほんの少し地面から持ち上げて、邸宅風レストランの入り口に向かって歩き出す。


八重木さんの運転するリムジンから出てきた私に気が付いたスタッフが、丁寧にお辞儀をして中に案内してくれた。


東郷財閥のリムジンに乗ってきた人は、顔パスらしい。


出席者が受付を済ませてから中に入るのに対し、私は何の手間も取ることなく店の中へと入っていけた。


 吹き抜けの豪華なロビーを通り、重厚な扉の向こうへと足を進める。


スタッフや出席者たちは私を見て、なぜか感嘆の声を上げる。


ドレスが、とっても綺麗だからかな?


 煌びやかに着飾る人達の中に入っても、このドレスは一切見劣りしていない。


むしろ、上品で綺麗に輝いている。


 舞踏会が催されているフロアには、たくさんの人達が大きなドレスをひらめかせながら踊っていた。


ざっと見て、二、三百人はいるだろうか。


こんなに大勢の人達がいるのに、フロアはまだ広々としていて余裕がある。


とても大きなシャンデリアがいくつも垂れ下がっている下で、優雅な音楽に身を寄せながら、人々は楽しそうに踊ったり、談笑したりしている。
< 248 / 280 >

この作品をシェア

pagetop