イジワル御曹司と花嫁契約
「よ、久しぶり」


 彰貴は、私の前で見せるいつもの素の表情で、ニヤリと笑っていた。


「えっ! 気付いてたの!?」


 ガバっと彰貴を押し退けて、離れようとした私に、彰貴はすかさず抱きしめ腰を寄せる。


「そりゃ、好きな女を間違えるわけがないだろう」


 サラリと言われた爆弾発言に、石のように固まる私。


彰貴はそんな私に気付いていても、何食わぬ顔で優雅にダンスを踊っている。


「俺は、こう見えても怒ってるんだぞ。俺に相談もせず、一方的に別れただろ」


「それは……」


 何を言っても言い訳になってしまうほど、それは事実だった。


気まずそうに俯く私に、彰貴はなおも続ける。


「くそ親父に何を言われたのか、大体想像はつくが、結局俺の力をみくびってたってことだろ」


「知ってたの!?」
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