イジワル御曹司と花嫁契約
驚きすぎて、声を張り上げる。


幸い、人々の話声や音楽に上手く溶け込んでくれたので、目立つことはなかった。


「ほら、それもみくびってるだろ。


俺が気付かないとでも思ったか? 俺でなくてもおかしいと思うだろう、いきなりあんな別れ方されたら」


「いや、それは……」


 しどろもどろになってしまう。


まさか、全部知っていたなんて……。


「まあ、胡桃でなくても、俺があのタヌキ親父に勝つなんて思っていた奴はほとんどいなかったが……。ざまあみろだ」


 彰貴は遠くを見るようにして、勝ち誇った顔で言った。


くそ親父だのタヌキ親父だの、口が悪いのは相変わらずのようだ。


莫大な権力を手中に収めても、元の性格は変わってなさそうで安心する。


「ニュース見ながら応援してたよ。凄いね、頑張ったね」


 ずっと言いたかった言葉。


直接言える日が来るなんて、それだけで感無量だ。


それなのに彰貴は、ポカンとした表情で私を見ていた。
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