イジワル御曹司と花嫁契約
「そうだ。余計な心配を掛けさせたくないと言うなら、嘘も方便というやつだ。

完全に治って心労をかける心配がなくなったら、改めて本当のことを言えばいい」


「そんな……怒らないかな?」


「まあ、怒るだろうな」


 淡々と言われてむっとする。


でも、彰貴の言うように、今真実を言うより後で言った方がいいような気がする。


今は、自分のことだけを考えてもらいたい。


「……分かった。そうする」


「お前は嘘が下手そうだから、俺も一緒に行って説明してやる。その方が色々手間が省けるだろ」


「え!?いいの?」


「超絶忙しいが、婚約者が挨拶に行かないのもおかしいだろ。

完璧な猫を被って、最高の婚約者のふりをしてやるよ」


 色々と癪に障る言い方だけど、彰貴が来て説明してくれるのは有り難い。


それに、実際猫を被るのが上手そうだ。


「それじゃあ、お願いします」


 誰もいない部屋の中でぺこりと頭を下げる。


これが目の前に本人がいたら、頭を下げるのは不本意だけど、電話だからできるのだろう。


「ああ。その代わりといってはなんだが……今週末空いてるか?」
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