イジワル御曹司と花嫁契約
「もう!一方的なんだから!」


 やりきれない思いを携帯に向かって言葉を投げつける。


 ……デートって。


婚約者のふりだからデート?


え、それって必要?


 目を瞑ってうんうん呻りながら悩んだ結果、デートをしない婚約者も変かという結論に落ち着く。


でも私……デートしたことないんですけど。


デートって、何するの?


 高校は女子高だったし、合コンとかに誘われても、そういうの苦手で行ったことすらない。


 高校を卒業してからは、本格的に弁当屋で働き始めて忙しくて、それを不憫に思った友達が紹介するよ!とか言ってくれたけど、土日仕事の私は、友達と遊ぶことさえ難しいのに、恋人なんてできたらもっと友達と会う時間が減ってしまうと思って断っていた。


 弁当屋に来るお客さんはおじいちゃんおばあちゃんがほとんど。


出会いなんてあるわけがない。


 そんな私がいきなりデート。


しかも相手は御曹司?


難易度高すぎでしょ!


 ……でも、仕方ない、やるしかないか。


まあいいや、相手は良くも悪くも彰貴。


二人きりで緊張する相手でもないし。気楽にいこう。



 ……そして、あっという間に二日後を迎える。
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