イジワル御曹司と花嫁契約
彰貴は苦虫を噛むような顔をして言った。


どうやら断れなかった歴代のデートを思い出しているらしい。


さらに彰貴は続けて言った。


「来る女は、ちょっと見てくれがいいだけの自信家の勘違い女ばかりだった。

こういう女はたちが悪い。

きっとモテてきたし、親は金持ちだから、エスコートされて当然と思っている。

ないがしろにするわけにもいかないから、丁重に扱うと彼女気取りしてくるし、断るとヒステリックに怒り出す。

それに比べたらお前とのデートなんて一人で出掛けに行くようなもんだよ」


「いやだから、一言多いって。一応私も女の子」


「これで断る口実ができた。相手が誰であれ婚約者がいるって言えば、もう勧められないだろ」


 またスルー。


しかも相手が誰であれって、一言余計だしね!


 これほどまでに女として見られていないことは、逆に清々しい。


手を繋いで歩く行為も、まったく特別に感じられなくなってきた。


 今話題のアクション映画を観て、ぶらぶらと六本木ヒルズを探索して、夕食は個室で鉄板焼きをご馳走になる。


 彰貴が相手だからか、まったく緊張しないし、映画は面白かったし鉄板焼きはとろけるようなお肉が出てきた。


憂鬱だったのに、私、気が付いたらめちゃくちゃ楽しんでる。
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