イジワル御曹司と花嫁契約
 デートってこんなに楽しいものなんだ。


皆が彼氏を作りたがる理由が分かった気がする。


でも、こんなに笑えるのは相手が彰貴だからなのかな。


私が緊張しないように、さりげなく気を使われてる気がする。


 綺麗に盛り付けられた三種のデザートを食べながら、まじまじと彰貴を見る。


 思い出してみれば、映画も席予約してくれていたから待ち時間なくとてもいい席で観られたし、六本木ヒルズに来るのは初めてだって言ったら、まるで観光するように私が見たいところ行きたいところに連れて行ってくれた。


 見るからに高級でお洒落な鉄板焼きの店に入って萎縮してしまった時も、個室をわざわざ用意してくれた。


さりげなくエスコートしてくれるところとか、気取らない会話とか、人に気を配ることが自然と身についている人なのかも。


そこはさすがだなと思う。


「なんだよ、人の顔じろじろ見て」


「いや、楽しかったなあと思って。

婚約者のふりなんて、想像もできなくて恐かったけど、こんな美味しいもの食べれるなら悪くないなあ、なんて思っちゃった」


 素直な気持ちを伝えた。


すると彰貴は、ニヤリと意味深に笑った。


「デートはこれで終わりじゃないぞ。むしろここからが本番だ」
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