イジワル御曹司と花嫁契約
 私をロビーに座らせ、彰貴は慣れた様子で署名する。


ベルボーイに荷物を持たせ、再び私の手を繋ぎ、ベルボーイの後に続く。


 ……え?


 頭の中はクエスチョンでいっぱいだった。


ここは一体。


なんでチェックインの手続きしてるの?


え、どこに行く気?


 エレベーターに乗り、彰貴の袖を引っ張り不安気な顔で見上げる。


 すると彰貴はベルボーイに聞こえないように小声で「大丈夫だ」と言った。


 ……大丈夫。大丈夫なの?なにが大丈夫?


 ベルボーイがいる手前、色々聞きたい気持ちをぐっと堪え、心拍数が高くなっていく胸でエレベーターが到着するのを待つ。


 最上階に着くと、そこには一つの部屋しかなかった。


ベルボーイがカードキーで鍵を開け、中に入る。


 そこには四十平米はありそうなリビングが眼前に広がっていた。


大きなソファに、大きなテレビ。


もちろんただ大きいだけではない、一見して高級なものと素人目にも分かる家具が設えてある。


また、ガラス天板のセンターテーブルには、氷が入ったシャンパンクーラーにシャンパンボトルが入っている。


その横にフルート型のグラスが二つと箱に入ったチョコが置かれていた。
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