イジワル御曹司と花嫁契約
表情が生き生きとしていて、目が輝いている。


彰貴が楽しんでくれるならいっか。


 私も全力で楽しむことにした。


 叫んだり、笑ったり、ふざけあったり……。


彰貴といると心から笑うことができる。


 母のことがあって、最近は友達と遊ぶことも少なくなって、こんな風に馬鹿笑いをしたのは久しぶりかもしれない。


 やばい、猛烈に彰貴に惹かれている。


一緒にいることが楽しくて、嬉しくて、彰貴の一挙手一投足に目が釘付けになって、ときめいて……。


 どうしよう、私……。


 日が傾くまで遊び尽くした私たちは、休憩もかねて観覧車に乗った。


 空が茜色に染まっている。


もうじき暗くなるだろう。


ほんの僅かな貴重な空の色の移り替わりだ。


 彰貴が目の前に座っている。


丸い箱の中で、二人だけの空間。


さっきまでふざけあっていたのに、妙な緊張感が流れていた。


夕焼けが、ロマンチックすぎるんだ。


「彰貴ってさ、実は子供好きだよね」


 どうしてか照れてしまって、彰貴の顔がまともに見れなかった私は、密室に流れる甘くなりそうな空気を消そうと、わざと色気のない話題を振った。
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