壊れるほど抱きしめて
結局は坂木くんを避け続ける一週間を過ごした。
勤務帯が違う事が救いだったけど、来週からは同じ時間帯で、同じ製品を作る作業をしなくてはならない。
今度ばかりは避けるどころか避けられない。
私にはこんなの辛すぎる……。
やっぱり転職しようかな。
日曜日の午後、私はベッドに寝転びながらそんな事を考えていて、明日が来るのが嫌で仕方なかった。
すると私のスマホに聖から着信があった。
「もしもし?」
『小春?今アパートの前に居るんだけどいる?』
「えっ、アパートの前に居るの?私は居るけど何かあった?」
『居るなら下に降りて来てくれないか?』
「わかった」
着信があったかと思えばアパートの前に居るなんてどうしたんだろ?
そう思いながら、私は部屋から出て階段を降りた。
「小春、悪いな急に」
「いいけど、何かあったの?」
「彼女にプロポーズするって言ったろ?昨晩、彼女にプロポーズしたらOK貰えたんだ。小春に伝えたくてさ」
聖の顔は幸せそうで、姉を亡くした時の聖を知ってるからこそ嬉しくて、気づけば私は涙を流していた。
「おめ、でとうっ……」
「おいおい、泣くなよ小春……喜んでくれてありがとう」
そう言って私の涙を拭って頭を撫でた。
するとその時だったーーー
「あんた、コイツの彼氏か?」
そう言ったのは坂木くんで、聖を睨んでいた。