未来絵図 ー二人で歩むこれからー
12時ーカフェdollー
キョロキョロしながら奈々子はまりかを探し、マワリカラあまり見えない、植物に囲まれた窓際で足を組ながら外を眺めているまりかを見つける。まりかも奈々子に気がつき、軽く手をあげた。
「ごめんなさい。まりかちゃんは何か頼んだ?」
「いいえ。すぐに出ますので。奈々子さんはどうぞ頼んでください。」
そういわれたので、奈々子はアボガドのクラブサンドイッチとオレンジジュースを頼んだ。
「それで、何か私に用事?」
奈々子が切り出すと今までの表情は消えて、ギロりと睨みつけられる。奈々子は、一瞬たじろぐが真っ直ぐにまりかをみた。
「あの…。」
「ねぇわ智くん付き合ってどれくらいですか?」
「えっと、3ヶ月とちょっとかなぁ。」
「じゃ私の方が、智くんと過ごした時間は長いんだ。」
フンッと鼻で笑われる。
「私、智くんとは産まれた時から近くにいるんです。だから誰にも話さないこと、話してくれる間柄なんです。」
奈々子は、先に来たオレンジジュースを喉に流し込んだ。
「奈々子さん、バカですよね。智くんは、奈々子さんのこと性欲処理くらいにしか思ってないのに。本気になっちゃって。」
奈々子は哀れみの目を向けられ、一瞬、頭の中が真っ白になった。
「智也くんがそんなこと言うわけないでしょ。」
「おめでたいですね!最近、エッチしてないでしょ?」
「…ごほっ!…はぁ?」
奈々子は、飲んでいたオレンジジュースが気管に入りむせかえる。その様子をまりかは見ながら、"ほら、やっぱり!"とクスクス笑っている。
「奈々子さん。最近まで、生理止まってたんでしょ?で、元カレとは避妊してなかった。智くん言ってましたよ。せっかく避妊しないで出来ると思ってたら生理が始まったから、避妊しないといけなくなって、最悪だって。」
奈々子は、まりかの話を他人事のように聞いている自分に驚いた。