未来絵図 ー二人で歩むこれからー
「ここ2ヶ月、実家に戻って来るたびに智くんから話を聞くんですよ。本当に呆れちゃって。はっきり言わないと分からないんじゃないかって。」
「あのさ。客観的見ても、智也くんは女性に対してそんなこと言わないと思うよ。」
まりかは、イライラした様子を見せ、大きなため息をわざとらしくする。
「じゃ、週末のたびにあなたにあって、エッチしないのはなんでですか?私が嘘を言ってるとでも。」
「まりかちゃん。」
ダンっと乱暴に叩かれ、ふたりは周りから注目を浴びる。その時、ふと植物で死角になっていた隣の席の人物にビックリして奈々子は目を見開く。
そこには、瑞希の姿があったからだ。
「気軽に名前を呼ばないで!」
「あ、ごめんなさい。」
「とにかく、智くんに好かれてるなんて思わないでください。まっ性欲処理も出来なければ、用もないでしょうけど。失礼します!」
最後は大きな声で罵声を浴びせまりかは、去っていく。
ちょうど、店員がアボガドのクラブサンドイッチを持って来た所で、気まずくたっていた。
奈々子は居ずらくなり、"テイクアウトで。"と言うのが、精一杯だった。
いそいそと店を出ると、瑞希に声をかけられる。
「奈々子ちゃん…。」
「瑞希さん…。」
「聞いたらいけない話だったね。」
ふたりで、近くの公園に寄る。ベンチの空きがなく、噴水の縁に腰かける。
「あのから、メモ渡されたでしょ。なんか怪しかったから先に待ち伏せしてたの。あの子、奈々子ちゃんしか見てなかったから、私に気が付かないし。」
「そうでしたか…。」
瑞希は、ただ、奈々子を見つめ言葉をまつ。奈々子は、膝を見ながら震えだし、その瞳からは、涙が流れていた。瑞希は、奈々子の手を握りしめ"話せたら話して。"と囁いた。
「瑞希さん…私、こんな気持ちのまま旅行には行けないよ…。」