未来絵図 ー二人で歩むこれからー
新司は、ゆっくり体を起こす。服ははだけ、服や体に彼女のものと思われる紅い口紅が至るところについている。全体的に冷や汗をかき、はぁはぁと息を整えてる。でも、自分の体につけられた口紅の後を見ると、"おえっ"とその場に吐いてしまう。
「新司くん!大丈夫!」
勢いよく入って来たのは弥生だった。まだ少し震えてる新司を抱き締める。"汚いっす!"と、弥生から離れようとするが弥生はそれを許さない。ぎゅっと抱き締めている。
「あら。彼女?…高校生の頃の新司くん、可愛かったわよ?今も、震えちゃってかわいいけど…。」
クスクスと笑う彼女は、智也に助けを求めたことも忘れ、意気揚々と弥生に新司との昔話をはじめる。
「彼の部屋でね、性に多感になる年頃だったし。服を脱いだらびっくりして…。まだ、お子ちゃまだものね。」
「…やめろっ!」
「うふふ。胸を触らせたら固まっちゃって、こんな遊んでそうな顔してるのに…経験ないなんて、得した気分よ?」
「やめてくれ!」
新司が大声をだし、辺りは静まりかえり、みんな気まずそうにしている。
そこに、聞きなれない声がする。
「新司には近づかないよう弁護士から言われてますよね?」
声がした休憩室の扉を見ると、黒髪で長身、浅黄色の着物に身を包んだ、新司に良く似た男性がたっていた。
「最近、うちの周りを嗅ぎまわっていたのは、あなただったんですね?私が結婚したから、次は新司ですか。でも、あなたは、うちとは関わってはいけないと通達きてますよね?警察呼びますよ?」
女性はその男性を見るなり震えだした。みんなは誰!?みたいな目でみている。
「永遠に関わらないでくださいね。次はありませんよ。」
それまでの勢いはどこに行ったのか、震えながら、バタバタと出ていった。
「お騒がせして、すみません。内の事情に巻き込んでしまいまして、兄の一之宮礼司と申します。先程は、メールありがとうございます、高本さん。」
「いいえ。」
話が見えない皆は礼司と新司、奈々子を交互に見た。