未来絵図 ー二人で歩むこれからー 
 すり寄ってきた智也の髪の毛を撫でてやると、その頭がどんどん布団の中に沈んでいき、胸元に"チュッ"と、わざとらしく音をたてながら、キスをされる。

「ちょっと…。智也くん。」

「んー甘えてるだけだから。」

「でもなんか、手つきがエッチな感じが…。」

「まぁ、そうとも言うかな?」

 そう答えると、甘い色気に満ちた智也が布団の中から顔を出して、上目遣いたしながら奈々子をみる。

 この瞳に奈々子は弱いと分かっていなから、わざとしてくる辺り、なんて強かなんだと思うが、結局、負けてしまい、何度も甘い時間を過ごすのであった。


 
 休み明けの新司は、休憩所であんなことがあったとは思えないくらい晴れやかな顔に、周りはピンク色に囲まれやってきた。

 弥生もどこかボーッとしたり、赤くなったりと、隠してるつもりだろうが、周りにはただ漏れでこっちも周りはピンク色。

 誰も触れないが、素敵な時間を過ごしたのは間違いないようで、親心のようにみんな眺めている。


 ハロウィンも終わり、ゲストハウスに行く人間がもうすぐ決まろうとしていた。

 しかし、新司は行きたくないって気持ちが強くなり始め、しおりは行っても残っても、自分史は大丈夫なのだろうかと思い始めていた。

 奈々子は、選ばれば智也と一緒にいれると言う気持ちもあるが、純粋に投票で選ばれたいと思っていた。

 そんな気持ちのまま、隼がゲストハウスの内装を完成させ、戻ってきた。

 

 これからが忙しい、クリスマスがやってくるのだ。
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