未来絵図 ー二人で歩むこれからー 
 二人は湯船から上がり、体を拭くのも程ほどに、なだれ込むようにベットに向かった。

 智也は、奈々子を見下ろすようにベットに寝せると、奈々子の感触を確かめるようにおでこ、唇、首、胸元に優しくキスをし、奈々子がびくっと反応すると、その部分を甘く噛みつくように鋭い口づけをしてくる。

「んっ……。あっ!んっ…。」

「可愛い。」

 そう言いながら次は噛みつくように鋭い口づけをしてくる。そうなると奈々子は、自分ではどうしようないくらい智也が欲しくなり、自分から求めてしまうのだ。

 それを分かってて、奈々子にわざとねだるように仕向けるのを智也は楽しんでいるようだ。

「まだ、我慢出来るの?」

「もう…我慢できない……」

「うん、俺も……。」

 そう言いながら二人でひとつになる。

 智也に握りしめられた左手の薬指には、光輝く指輪がしっかりとおさめられていた。

 
 カーテンの向こう側が明るくなり始めた頃奈々子は、気だるい体と暖かい温もりに目を覚ます。智也に抱きしめられながら素肌のままで、布団に絡まりながら、あのあと眠ってしまったようだ。

 奈々子は、ぐっすり眠っている智也の腕からすり抜け、布団を掛けなおし、部屋着に手を通すとお風呂場に向かった。

 アロマキャンドルは昨日のままの状態でおかれている。

 電気を消しても昨日のような幻想的な世界一にはならないが、奈々子はケータイで写真をとり、雪だるまのアロマキャンドルを1つひとつ集めた。

 それらをカウンターキッチンのすみに並べて、自分の指輪光る指輪を眺め、にやにやしていると、ふと、後ろからふわりと抱きしめられた。

「嬉しいんだ?」

「……ん。嬉しいよ、ありがとう。」

 振り向き様に言うと、唇にチュッと軽いキスをされた。 
「忘れられないプロポーズ。」

「中々、斬新だろ?指輪を買うとき、クリスタルのケースが防水って聞いて、ひらめいた。イルミネーションもクリスマスまでだったし、アロマキャンドルも作って見たかったし。」

 そう照れながら種明かしをしてくれる智也に、次は奈々子からキスをしていた。

「今日は、会社の謝恩会まで、デートしようか。」

 智也の提案に奈々子は大きくうなずいた。
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