未来絵図 ー二人で歩むこれからー 

 ビアガーデンのあと、何事もなく、過ごした。イベントも続き、同期の飲み会も中々出来ずにいた。

 ある日、社長から見合い話を持ち掛けられる。すぐに"好きな人がいる。"と言うと、"高木さん?"と言われ、不覚にも顔を赤らめてしまった。社長は納得し、すぐに断りの電話を入れてくれたが、執拗に、冷やかしたり絡んで来ることが多くなっていた。

「今日から、ハロウィン企画だが、あれ見たらお前暴走するかもよ。」

 そんなことを社長に言われたのは、ハロウィン企画の当日。智也は、衣装がどんなものなのか知らずにいたため、ロッカー室を出て、奈々子に名前を呼ばれ振り向いた瞬間、胸がドキドキしてしまった。 

"可愛い"なんて、"似合ってるなんて"言ったけど、誘われてるんじゃないかとうろたえてしまうのを必死でかくした。

 ーストーカー事件ー

 手紙を見た瞬間、頭に血がのぼった。社長に危険だからと訴え、止めるように話した。社長は、理解してくれたが、現在の総支配人は、それを頑なに拒み、イベントをやりきることになった。

 現在の総支配人に嫌みを言われながらも、出来るだけ毎日、奈々子の送り迎えをした。彼氏になんて、かまって入られない。


 ハロウィン最終日。ロッカーの外でやよいと瑞希が談笑していた。智也も着替えが終わり、合流したとこて、警報器が鳴り響いた。

 奈々子のいるショップからだ。

 全速力で走り、少し空いてるシャッターを一気にあけた瞬間、奈々子に、馬乗りし、太股と胸を触っている男の姿が目に入り、我もわすれて、投げ飛ばし、抱き締めた。

 奈々子を守りたかったのに。 

 警察に理不尽なことを言われ、中々歩けない奈々子を連れて帰り、部屋にあがった。

 ただ、一緒にいなければ。ただ、側にいたい。
< 44 / 143 >

この作品をシェア

pagetop