未来絵図 ー二人で歩むこれからー
奈々子は、長かった髪を肩まで短くした。逃げようとし、髪をつかまれのが恐かったからだ。
休み明け、出社すると誰もが事情を知っていたが、社長の計らいで、それを口にすることはなかった。
店頭には出ず、ウェディングに集中することになり奈々子は、ひたすら作業をする毎日になり、すぐに笑顔が戻る。
毎日、送り迎えする智也に遠慮するようになったため、残業したり、差し入れを持っていったりし、見守ることにした。
もう、すでに彼氏と別れていたが、気持ちを伝えることは出来ず、チーフとサブの独立を見送り、隼としおりが配属され、この春、新司を迎えた。
新司のぶっちゃ話がなければ、奈々子の気持ちを聞くことは出来なかったから、それは、感謝だ。
ー進みたいと思ってる。ー
それをどれ程望んでいたか。智也を好きとは限らないのに、その言葉を聞けて嬉しかった。
ー泊まってく!?ー
驚いた。親切心だろうか。でも、恋愛から遠ざかっていた彼女からの誘いだ。断りたくない。
ー誰にも渡したくない。ー
何か、変わるかもしれない。期待を込めて足を踏み入れたのだった。