未来絵図 ー二人で歩むこれからー
「腹が立って着るなんて、言ったんですけど。思ってたより、短くて…白の3部丈のスパッツ買う予定。」
「いっそのこと、白いズボンでいいんじゃ!?」
「でも、味気ないから若いアルバイトは来なくなっちゃんじゃ。」
「学生のアルバイトは、キャーキャー言うから嫌なんだよ。」
「松本さん、言い寄られてますもんね。」
「仕事場で騒がれたくない。」
ため息をつく智也に、奈々子はクスクス笑う。
「着替えてくるので、朝御飯待ってくださいね~。」
奈々子は、自分の部屋に引っ込んだ。
智也は、部屋を見回した。あの招き入れられた日と、あまり変わらない部屋。
変わったと思われるのは、定期的に変えられてるであろう机の上の花。智也が寝ていたソファーベッド。窓辺にあるミニグリーン。
「お待たせしました!さぁ食べましょ。松本さん、好き嫌いないから気にせず作っちゃった!」
食卓には、玄米ご飯・焼き魚・白和え・味噌汁、THE和食が並んでいる。二人で手を合わせて食べる、同棲カップルみたいだ。白和えや味噌汁は智也の大好物で、食堂や定食屋でよく食べるが、どのものより美味しいと感じる。
「うまい。……味噌が違うのかな?」
「嬉しい!自家製です!」
「味噌を?」
「うん!高校で作り方学んで。改良に改良し、この味に!」
「へぇ。……うん。本当うまい!」
奈々子は食べっぷりの良い智也を見て、微笑んでいる。
ーおかわりは?ーと聞かれついつい智也は食べる。