未来絵図 ー二人で歩むこれからー 
「失礼します。プランナーの黒崎です。ー保田さん夫妻のお話では、九州を旅行の際、葡萄畑に立ち寄り、そこで、その年、始めて収穫したワインをいただいた。葡萄の花が添えられており、珍しいワインがあった。でも、もう、十年も前の話だし、葡萄畑の場所も覚えてない。そのワインはさすがに探すのは難しいけど、似たようなワインがあるので、それを使いたい。ーと、おっしゃってました。」

 やよいが、一礼して奈々子とゆきの間に入ってくる。

「やよいさん、どうでした?」

「ばっちり、ワイン工房ーMATSU ーさんのワインで間違いなかった。」

「やっぱり、良かった~。葡萄の花が添えられてるのは多分ここしかないからさ。じゃ、ワイン工房ーMATSU ーさんのワインを使えるね。」

 奈々子とやよいの会話に、ゆきと支配人は、"えっ?"と顔を見合わせる。

「なら、用がないのはあんたらだよな?じゃまなんだけど!」

 隼が、睨み付けながら言葉を発する。王子キャラは作られていないが、イケメンは何をしてもイケメンである。

 ゆきは、小刻みに震えて拳を握りしめている。そんなゆきを、見た支配人は、大きな声をだし、智也を睨み付ける。

「不愉快だ!両親には合ってるんだろ?妊娠してるんだろ?違うのか?嶋田さん!」

 ゆきは、なにも答えず俯いている。

「確かにヨーロッパでお逢いしましたが、話したのは1分たらず。部屋さえ入れてないし、君はすぐに、日本に帰ったよな?どこで妊娠したんだろうか?」

「……。」

「答えられないのかな?さっきまでぴーぴー言ってたのに。それと、俺の両親に合った?どこでだろうか?」

「……。」

 ゆきは、しゃべれなくなったように、黙りこみ、うっすらと涙を浮かべる。

「嶋田さん。ちゃんと答えるんだ!」

「総支配人は黙ってください。俺の両親に許しを貰ったとか噂になってたけど。そうなの?父さん、母さん。」

 智也が、オーナー夫妻に目をむける。ゆきは、"えっ!"と言う顔をして、二人をみた。

「いいえ。あなたのことは知らないわ。ねぇ、あなた。」

「あぁ。会ったこともないね。さっきから失礼なことばかりいう女性だなぁと思ってた。」

「…あっ……。」
 
 ゆきは、どうしていいか分からずあたふたし始める。
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