未来絵図 ー二人で歩むこれからー 
「松本、ひさしぶりだな。智衣さんも。元気そうで。」

「奈々子ちゃんに便乗してついてきてしまったよ。」

 社長とオーナーがにこやかに挨拶しているそばで、"そーゆー知り合いなんだ。"と隼がポツリと言う。

「父さん、母さん。奈々子と知り合いだったの?」

「うふふ。もう、運命としかいいようがないわ。智也より奈々子ちゃんとは随分昔に出会ってるのよ~。高校生の奈々子ちゃんでしょ!恋ばなもしたし。夢も語り合ったし!智也より奈々子ちゃん歴長いからね~。」

 えっへんと言う智衣に対し、

「智衣さん~。色々、松本さんに言わないでよ!恥ずかしいこととかありそうだし。でも、本当に、松本さんのご両親とは思わずに、びっくりしちゃった!」

 あまりにもフランクに話す奈々子。お互いに、気心知れている感じがする。

「ねぇ、松っつん。」

「何?やよいさん。」

 ニヤニヤして様子を見ていた智也に対して、やよいは肘で智也をつつきく。

「何、考えてるか当ててみようかしら。」

「ん、なにも考えてないよ?」

「高校生の時の奈々子ちゃん、かわいいだろうなぁ。嫁姑問題は大丈夫そうだなぁ。そんな感じ?」

「……。いや。…半分違うかな?」

 その回答にみんなが笑いだし、和やかな雰囲気になる。

 その後、ビジネスの話があると社長とオーナー夫妻は別室で話し合いをはじめ、奈々子と隼は、ショップに戻り、智也とやよいは、来週控えている保田さんの結婚式の最終確認をしに会場へ戻った。

 今回のワイン・花の契約にこぎ着けたご褒美として、奈々子と智也は、3日間の特別休暇をもらうこととなる。

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