未来絵図 ー二人で歩むこれからー 
「おはよう。3人で何はなしてんの?」

 ブルー色地に襟と裾に黒と白のチェックの切り替えがついているおしゃれたポロシャツにジーンズの格好だった。

"おはよう、松っつん。"二人が口々に言う。

「今日は温泉かぁ~。いいなぁ~。」

「ねぇ、今度はやっぱりバーベキューやめて、温泉にしない!」

 二人がいいね~と盛り上がり、智也もそれもいいね、なんて話してる。

「夏。集まることが出来たら、バーベキュー。冬なら、温泉に行こうか?1泊くらいなら、みんなの予定あうんじゃないか?」

 智也が発案すると、やよいが控えめな声で奈々子に尋ねてきた。

「ねぇ、奈々子ちゃん。ショップのみんなが休める時とかあるの、かしら?」

「そうですね、8月の最後の方とかならショップを1日閉めてもいいかなぁと皆で話してますけど…。」

「なら、その日に逢わせて、皆で出掛けよう。牧田くんもその方が…。あっ!…えっと。」

 やよいは口を滑らせる形になったが、時はすでに遅し。3人にニヤニヤ、ニマニマされ、真っ赤になって、俯いている。

「やだ、やよいさんのこんな顔、初めてみた!」

「やよいさんには色々お世話になったから、8月に絶対しよう!俺と奈々子で計画立てるから!」

 奈々子と智也はお互いに、見つめあい頷きあう。

「やよいさんに合うのをloverシリーズで探さなきゃ!」

「あっ瑞希さん!次は私も一緒に!」

「ふ、ふたりとも!まだ、そんな。だって、二人きりにはまだ抵抗あるだろうから。…ゆっくりでいいんだ。」

 やよいは、まだ顔が赤い状態で、勝手に盛り上がるみんなを止める。

「朝からにぎやかだね。」

 そこに現れたのは、チェックアウトの対応をしていた社長とオーナー夫妻だった。

「社長、おはようございます。さっそくですが、8月に俺と黒崎と永友、フラワーショップに夏期休暇を下さい。」

 智也が挨拶早々、すぐに切り出した。

「話は何となく分かった。高木チーフ、今回のイベントで休みがなかっただろうから、都合のいい日に3日間ショップを閉めて構わないよ。あと、3人は、それに合わせて夏期休暇を取ればいいよ。」

 なんとも寛大であっさりと承諾された。
< 83 / 143 >

この作品をシェア

pagetop