未来絵図 ー二人で歩むこれからー 
「フラワーデザイナーは、誰でも辞令が出たら行けるように鍛えとく。」

「奈々子は、俺と一緒に。自分が行きたいとかないの?」

「公私混同になるじゃない。」

「そりゃそうか。」

 ふっと智也は笑った。食後のデザートを食べ終えたあと、さてとっと智也が席をたった。

「お膳下げてもらって、良いことしようか?仕事の話は終わり!」

「えっ良いこと?」

「こんな魅力的内風呂がついてるんだから。もちろん、一緒に入るよね?」

「お風呂!!いやいや、無理…。恥ずかしいよ。」

「何言ってるの?1ヶ月くらい肌を見てないし、触れてないのに。お風呂一緒に入るよな?」

「お風呂さっき入ったよ!?」

「それはそれ。これはこれ。」

 
 結局押しきられる形で、内風呂に入ることになったのだが、奈々子は、羞恥心のあまり、どうしていいのか分からず、智也から一番遠い場所に、温泉のお湯が顎がつくくらい身構えていた。

「奈々子。こっち。」

 智也がとなりに来るよう促すが、奈々子は無理無理と、首を振り続ける。

「分かった。」

 そう言うとすぐに距離を縮められ、隣に陣取った。

「智也くん。ち、近いよ…?」

「んー。」

 次は肩に、顎をのせて、甘えるようにしてくる。

「ん。癒される。」

 誰がこんな智也を想像しただろうか。職場での智也は、寡黙だけど、接客では爽やかスマイルの二面性を持つ男。同期や知る人の中では、ちょっと独占欲があり奈々子が困っていたら助けにきてくれるヒーローみたいな存在。でも、こんな猫みたいに甘えてくる姿なんて想像出来ないだろう。

「ふふ。誰も甘える姿なんて想像出来ないよね。」

「たく、みんな俺を何だと思ってるんだよ?甘えたいし、甘えられたいし。独占欲もあるし、エロいことも考えるし。」

「本当に、付き合って知ることばかり。」

「紳士に接してたんだよ?」

 奈々子が肩に持たれる智也に目をやると、お湯に濡れて、やけに色っぽい顔に覗き込まれる。
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