イケメン上司と とろ甘おこもり同居!?
◇ ◇ ◇


こんなに激しくアルコールが残るのは久々だった。


「頭痛い……」


翌日。
大学のコンパで散々な目に遭ってから、元々強くないんだからお酒はほどほどにしよう、と決心したというのに。調子に乗って梅酒ロックを何杯もいくんじゃなかった。


「真下さんは大丈夫かなぁ」


アパートと会社が近くて良かったと、今日ほど思ったことはない。
出勤時刻ギリギリに目覚めて、慌ただしく準備をすると私は急いで部屋を出た。


「あっ、ヤバい!!」


玄関を出て鍵を掛けてから、昨夜話題になったバーベキュー大会の企画書を忘れたことを思い出して、再び部屋に戻る。
パソコンの横に昨夜プリントアウトした書類を挟んだファイルがあったので、それを掴んで駆け足で出社した。もう必死だった。


「はあ、はあ……」


遊歩道を通る。会社への近道だ。
時間も時間だから、もう出勤中の社員の姿はなく、私だけだった。
総務部のフロアに辿り着き、自分のデスクで一息吐く頃には服の中が汗だくだった。


「辰巳さん、おはよ」
「あ、真下さん。おはようございます」
「顔色悪いね、平気?」
「はい、ちょっと昨日の梅酒が残っちゃってて…。真下さんは?」
「私はいつもウコン飲んでるから!」
「はあ、頼もしいです…」


走ったせいで頭が余計にガンガンする。
ハンカチで汗を拭き、私は走る間ずっと握ってたファイルを真下さんに差し出した。


「これ…バーベキュー大会の要項です」
「ありがとう。部長に渡す前に、先に目を通させてくれる?」
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