イケメン上司と とろ甘おこもり同居!?
「それ、僕にも下さい。」


と言う鈴木さんに、私はさっき渡そうとしてお預けを食らわせてしまった新しい方を手渡して、隣に座った。


「…き、キスって……。男の人は、誰にでもできるもんなのかなぁ」


心の声が、口から漏れていた。
食べ終えたチョコレートの包装紙を、ぎゅっと握り潰す。


「って!私、なに変なこと言ってんですかね!すみません」
「…試してみる?」


相手の真顔に、心臓がドキンと高鳴った。


「は、はい?」


そのまま、堅い表情を崩さずに顔の距離を詰めてくるので、「けっ、結構です!」私は必死でベンチから転がり落ちるように後退りした。


「すげー反射神経。」
「変な冗談はやめてください!」
「確かに、冗談ですけど。そんなにあからさまに拒否されると結構ショック。」
「え、ええ…?」


馴れてないんだもの、こういうの…。
こうやってからかわれるのもだし、男の人と接近するのも。

額に冷や汗が滲んだ。

学生時代から人一倍奥手だった私。男の子よりなによりチョコレートが好きだったし、キスだって、日浦とが初めてだったんだ。


「時に。こうやって隣に座ってみて、気付いたことがあるのですが。」


なんの前触れもなく、そう話し出した鈴木さんは、まだ心臓が穏やかさを取り戻せてない私の顔を覗き込んだ。


「発表しても、宜しいですか?」
「?ど、どうぞ…」


私は首を傾げる。と、鈴木さんはそれまでこちらに向けていた視線を、すっと斜め下に外した。
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