うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜
「あっれ~、また月橋エレナと居るじゃん」
またどっから湧いてきた……。
エレナが去ったあと、そちらを振り返りながら、笙が現れた。
「でも、ほんと。
瑞季ちゃんが会いに行ったお友だちって、男かな、女かな」
何処から聞いてやがったんだ、と思っていると、
「今日、何時に上がるの?」
と笙は訊いてくる。
「そうだな。
まあ、五時くらいかな」
今すぐ仕事を放って瑞季を追いかけたい気持ちになってるが、と思いながら、溜息をついて言うと、
「久しぶりにお前んちに行ってもいい?」
と笙が言った。
「だ、……駄目だ。
片付いてないから」
と言うと、へえ、と疑わしげな目をこちらに向けてくる。
「お前が片付けてないとかないだろう。
相楽さんならともかく」
どんなイメージなんだ、瑞季。
あれで結構ちゃんとしてるんだぞ、とかばいそうになる。
だが、さっきのエレナのように、なんでそんなこと知っているのかと問われると困るので、黙った。
しかし、笙はにんまり笑って出て行く。
「まあ、また今度、遊びに行かせてよ」
そう言って。