うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜
「今、食べてる、お寿司」
と神田が言うと、

『……死ねっ』
と言って、電話は切れた。

 思わず、笑ってしまう。

「仕事、煮詰まってるんじゃ……。
 なにか差し入れてあげようか」
と言うと、神田が、

「もう怒ってないの?」
と訊いてくる。

「怒ってるよ。
 でも、とりあえず、お腹空いて、苛立ってる人は宥めておこうかと。

 了弥にまだ食べないように言って」
と言うと、

「自分で言いなよ~」
と言ってくる。

「いや、口ききたくないから」

「わかんない人だねえ」
と言ったが、笑っていた。





< 187 / 328 >

この作品をシェア

pagetop