うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜




「お前ら、なにしに来た」

 案の定、デスクに齧り付いて仕事をしていた了弥が顔を上げてこちらを睨む。

「いやいや、差し入れ」
と神田が、寿司折を了弥の目の前にぶら下げる。

「相楽さんから」
「いらんっ」

「特上なのに。
 私は、並を食べても、了弥に特上を買ってきてあげたのに」
と言うと、

「お前は、並以外食べられないだろうが」
と言い、神田の手から奪い取るように、それを取った。

「さすが、よくご存知で」
と神田がちょっと冷ややかに言う。

「ま、私のお寿司は神田くんが奢ってくれたんだけどね。
 お茶淹れてくるね」
と瑞季が給湯室へと向かおうとすると、

「逃げるのか」
と了弥が言ってくる。

「なんでそうなるのよ」

 これはなにかのデスマッチか、と思いながら、
「お茶淹れてくるって言ってるでしょっ」
と言い返した。



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