秘密 ~生徒に恋して~
「あのさぁ……先生。俺、…今からすっげぇとんでもないことを言うんで……ダメだったらダメって言ってくれよな」
「ん?すっげーとんでもないって?えっ?何?」
「ホント、駄目だったらダメって…」
「うん、それはわかった」
「え…と、あの………一度だけキスしてもいいですかっ?!」
悠也は少し口ごもるような言い方をした後、途端に大きな声で、早口で言い切る。
驚いて目を見開いてしまった私を見て、悠也はすぐにまた口を開いた。
「いやっ、やっぱりいいよ、先生。
俺、何言ってんだか…これから結婚するって人に。
ダメに決まってるよな。ごめん、先生。忘れて!」
悠也は早口でまくし立て、私から目を逸らすと慌てて自転車のハンドルに手をかけた。
「片瀬くん、…あの…いいよ。」
「ん?えっ、え~ッ?!マジで?」
「最後の思い出に…」
私は自分自身にもそう言い聞かせたかったのだ。
そうして、私もこの恋を終わらせなければいけないと思った。