乙女は白馬に乗った王子を待っている

さやかは、ドキドキしながら高橋を待っていた。

今日は二回目のデート。
初めてのデートは最高だった。素敵な車でさやかを迎えに来てくれて、それから夢のような一日だった。
船の上から見る夜景が綺麗で、さやかにとって、それは忘れられない初めてのデートになった。

今日はどんなところに連れて行ってくれるんだろう。
六本木ヒルズのガーデンテラスで高橋と待ち合わせをしていれば、否が応でも期待が高まる。
あいにくの雨模様だったけど、その雨さえ、幸せの粒となって二人に降り注いでくれているように感じられた。

「待った?」

屋根の下で雨宿りをしながら外を眺めていると、ふいに後ろから声をかけられた。

「全然!」

勢いよく振り向くと、高橋が立っていた。
チェックのボタンダウンシャツをあっさりと着こなし、細身のパンツの裾をくるくると折り曲げている。とどめはスペリーのデッキシューズ。(雨なのに)こんなすかした格好を嫌味なく着こなしているのはさすがである。
口の悪いゆり子をして、容姿「だけ」はいい、と褒められる高橋の面目躍如であろう。一緒に歩いていると振り返る人もいた。


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