乙女は白馬に乗った王子を待っている
さすが、夢見る夢子ちゃん、純情だ。
そう、ハゲでデブ。
でも、ゆり子だって、しょせんボールなのだ。自分でも「お似合いだ」って認めたではないか。
それに、実際正直な話、その容姿以外は、東城は悪くなかった。悪くなかった、というより、かなりイイ線言っているのではないかと思う。
身につけるもののセンスだって悪くないし、意外なほどスマートにゆり子をエスコートした。お金だって持ってるし、話も合う。ゆり子の市場価値なんて、子持ちの再婚男か、50過ぎの独身男になるのだ。
わかっている、わかっているのだ。自分だって、二十代の生きのいい女たちに比べたら、見劣りするのはわかっている。お互い様だ。だから、ハゲでデブってだけで、文句を言うのは間違っていると思う。
でもね……、でも、ああ〜〜〜!
東城はハゲでデブなのだ。
「でもさー、市川海老蔵みたいな感じにすればはげてても返ってカッコいいしさ、太ってるのはダイエットすれば問題ないんじゃない?」
さすが翔太、なんちゅーポジティブな意見。
ホントにコイツはいいヤツだ。ゆり子は翔太に惚れ直してしまいそうだ。
「そうだよ〜。東城さんのダイエットを応援したらいいじゃん。なんなら、ライザップにでも入れちゃえば?」
相変わらずさやかはのん気な発言だった。
「そういう問題!?!?」
「だって、ハゲでデブが問題なんでしょ。」
さやかがたたみこむように言うと、ゆり子も勢いに飲まれて頷いた。