乙女は白馬に乗った王子を待っている
周囲を見回すと、会社帰りとおぼしき若い男女のカップルが多かった。

何となく華やいだ雰囲気のなか、久しぶりに食べるおしゃれなカフェでのおしゃれな食事に、ゆり子のテンションは少しずつ上がってくる。

そういえば、あのドラマの専務が連れて行ったレストランもこんな感じだったかも。

えっ!?もしかして高橋社長も、ひょっとしてこの後、私を……!?

ゆり子は首をぶるんぶるんと振った。

「どうした? 首でも痛いのか?」

急に高橋に聞かれて、ゆり子ははっと我に返った。

あらぬ妄想をしていたせいか、高橋の顔がまともに見れない。

ゆり子は、目の前のビールをごくごくと飲み干した。


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