乙女は白馬に乗った王子を待っている
近くのコンビニを通りかかったとき、さやかがコンビニから出て来るのが見えた。

「さやかちゃん!」

翔太の声が、明るく張りのあるものに変わる。

振り向くさやかに向かって手を大きく振りながら、翔太はさやかの方に駆けていった。

ゆり子も慌てて後を追う。

「何買ったの?」

さやかに問いかける翔太の顔は生き生きとしていた。

「うん、ストロベリーチーズケーキ。」

「苺?苺といえばね、今日……」

翔太はさやかに、さっきの話をし始めた。

二人は声をたてて楽しそうに笑いながら歩く。

ゆり子は二人から半歩ほど後を何となく歩いていた。

「じゃあさ、明日、サッカーの練習、見に来ない?」

翔太がさやかを誘う。

どうやら翔太は明日がお休みらしかった。目下、フリーターのさやかも明日は午後からバイトのようだった。二人で盛り上がっている。

「え〜、どうしようかなあ。さやか、朝が苦手だからなあ。」



イタい、イタすぎる……。



頼むから、30過ぎて自分のことを名前で呼ぶのはやめてくれ……。

ゆり子はだんだんと顔がむっつりとしてきた。

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