乙女は白馬に乗った王子を待っている
月曜日だ。
重たい体を無理やり引きずってベッドから出した。
夕べ、帰ってくるさやかと顔を合わせるのが億劫で、ゆり子は翔太のところに泊まった。
日曜日の夕方、スーパーに行って二人で材料を買い込んで、すき焼きを食べた。
何かと整っているゆり子たちの家の方が料理しやすいのだが、ゆり子が、さやかが帰って来たら落ち着いていちゃいちゃできないからイヤだ、と言ったら、翔太はあっさりと了承した。
実は、翔太の家に入るのは初めてだ。
男の一人暮らしなんてどんな大変なことになってるんだろう……、と戦々恐々だったが、なんということもなくフツーの感じだった。
綺麗すぎず汚すぎず嫌味のない程よい加減の部屋だった。
いかにも翔太らしい。
一人暮らしの気楽さからか、テレビ台にぽんとアダルトDVDを置いてたり、ベッドの脇にエロ本が適当に放り出されているのはご愛嬌だ。
ゆり子が笑いながら指差して指摘すると、さすがに気恥ずかしいようで、
「もー、参るなあ、ゆり子さんには。さりげなくスルーするのが彼女の気遣いじゃね?」
と頭を掻いている。
「もう必要ないでしょ。」
と、ゆり子がからかうと、
「えー、それとこれとは別。」
などと言うから何だかおかしかった。